矯正治療前後

*治療前後の写真を掲載することは医療法により禁止されていますが、広告可能事項の限定解除4要件を満たし、主訴、診断名、リスク副作用等を記載することにより掲載可能となっております。

上顎前突
(じょうがくぜんとつ/出っ歯)

12歳 女性
主訴「出っ歯を治したい」
診断「下顎側切歯先天欠損を伴う上顎前突」
 
上顎左右第一小臼本2本を抜歯、上下顎にマルチブラケット装置を装着し、上の前歯を後ろに移動しました。治療期間はおよそ2年でした。上の前歯を十分に後退させて前歯で噛むことが出来るようになりました。矯正治療による歯の移動には、歯根が短くなってしまう歯根吸収のリスクがあります。我々矯正歯科医はできるだけ歯根吸収を引き起こさないよう細心の注意を払いながら歯を移動させるよう心がけています。また、矯正治療中は歯磨きがしにくくなり、虫歯のリスクもあるので、ブラッシングがとても大切です。最初は矯正装置による不快感、痛み等がありますが、数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。通院毎に2~3日間噛むと痛いことがあります(咬合痛)。
治療の費用は、毎回の調節料5,000円x24回程度を合計するとおよそ75万円くらいです。
 
リスクについては矯正治療のリスクのページ、費用については矯正治療の費用のページをご覧下さい。

下顎前突(かがくぜんとつ/受け口)

28歳 男性
主訴「受け口、歯並び全体が気になる、滑舌が悪い」 
診断「叢生を伴う骨格性下顎前突」
 
上下顎にマルチブラケット装置を装着し、歯を抜かずに(非抜歯)治療を行いました。叢生(でこぼこ)を改善しながら上の前歯を前に、下の前歯を後ろに移動(アンカースクリュー使用)しました。治療期間はおよそ2年でした。しかしながら、歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があり、特に成人の治療では若年者に比較して長くかかる傾向にあります。この患者さんは歯を抜かずにしっかりとしたかみ合わせになりましたが、何でもかんでも非抜歯で治療できるわけではありません。レントゲン等の検査をして、十分に検討したうえで治療計画を立てることが重要です。歯を抜かずに無理矢理に並べようとすると、歯根吸収や歯が顎骨からはみ出て骨吸収・歯肉退縮等のリスクがありますので、やむを得ず抜歯の治療(もったいないですが)を選択することもあります。もちろん、抜く抜かないにかかわらず歯根吸収や骨吸収・歯肉退縮等のリスクはどのような状態においてもございます。
治療の費用は、毎回の調節料5,000円x24回程度、アンカースクリュー等を合計するとおよそ80万円くらいです。
 
リスクについては矯正治療のリスクのページ、費用については矯正治療の費用のページをご覧下さい。

叢生(そうせい/でこぼこ)

16歳 女性
主訴「でこぼこで歯が磨きにくい」
診断「歯の大きさと顎骨の不調和による叢生症例」
 
叢生(でこぼこ)が強いため、上下顎左右第一小臼本4本を抜歯し、上下顎にマルチブラケット装置を装着して治療を行いました。歯を抜いて出来たスペースを利用して叢生を改善しました。治療期間はおよそ2年半でしたが、動的治療後は歯を安定させるために保定装置の使用が必要です(最低2年)。装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。歯の移動には歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死のリスクがあります。また、矯正治療中は歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯肉炎・歯周病のリスクもあるので、ブラッシングがとても大切です。歯が動くと隠れていたむし歯が見えてくることもあります。

治療の費用は、毎回の調節料5,000円x30回程度を合計するとおよそ80万円くらいです。

リスクについては矯正治療のリスクのページ、費用については矯正治療の費用のページをご覧下さい。