矯正装置

歯科矯正用アンカースクリュー

歯科矯正用アンカースクリューは矯正治療をここ数年で急激に進歩発展させました。長さ6~8mm、直径1.5mmほどの生体に親和性のあるチタン製のねじを歯の周囲の骨に植立し、これを固定源に歯に力を加え、歯並びをきれいにします。

例えば出っ歯の治療では従来は、ヘッド・ギアーと呼ばれる帽子のような装置を毎晩使わなければなりませんでしたが、アンカースクリューを使用した矯正治療では、骨に固定源を求め矯正力を加えますので、ヘッド・ギアーなどを使用しなくても前歯を確実に引っ込めることが出来ます。

 

歯科矯正用アンカースクリューはとても画期的な方法ですが、欠点がないわけではありません。

  • アンカースクリューを骨に埋め込むときに、麻酔の注射をしなければならない。でも、ほんの少しの量(抜歯のときに使う量の1/5程度)です。
  • ぐらぐらして使えなくなることがある。ぐらぐらする原因はばい菌に感染(痛みはでません)、術式の問題等さまざまですが、成功率は90%前後と言われています。アンカースクリュー周囲も歯と同じようにしっかりと磨くことが重要です。
  • 子供の骨は柔らかくて、子供には使えない。通常、中学生くらいから使用可能。
  • なんか怖い。でも大丈夫!と自信を持って言えるのは私自身も打ってもらったからです。

私は矯正治療の予定はありませんが、現在も入ったままです。

目立たない矯正治療

審美的な矯正装置には、歯の裏側に装置をつける舌側(ゼッソク)矯正装置があります。裏側に装着するため、装置は見えませんので審美性の優れた装置です。

 

「見えない」という最大のメリットがある反面、舌側矯正にも欠点があります。

  • 表側の装置に比べて装置をつけた当初は違和感があり、しゃべりにくい場合がある。個人差がありますが通常2~4週間で慣れます。
  • ” 裏側だけにやっぱり歯磨きがしづらい。もちろん歯磨き指導を行い、めったに虫歯になることはありませんが、気合をいれてお手入れをしていただきます。

マルチブラケット装置
(ローフリクションメカニクス)

 
ローフリクションとはワイヤーとブラケットの摩擦抵抗が小さいことを意味します。この抵抗が小さいとワイヤーにそって歯が滑るように迅速かつ効率的に移動するのです。
 
したがって、従来のようにワイヤーをきつく固定する方法にくらべると治療期間が短縮するのです(どれくらい短くなるかは個々の歯並びによりますが・・・)。
 
しかも細くやわらかい形状記憶ワイヤーを使用し、きつく固定しませんので、歯の移動による痛みが軽減されると言われています。
 
ローフリクションメカニクスは非常に理にかなった良い方法と考えられています。